No.22 目指せパリ五輪!11B留目陽輔君インタビュー

「走るとは、自分を深く知ることだと思います」

11月18日の夕刻。オフシーズンに入ったGKA孤高のスプリンター留目陽輔選手(11B)に話を伺いました。

多種多様なタレントが揃う学園にあって、知らぬ者の居ない屈指のアスリート。全国レベルの競技会を主戦場としているにも関わらず、いつもひっそりと、ひとり新体育館の脇でダッシュを繰り返している。見たことがある人も多いだろう。

「普段の練習メニューは、師事しているコーチ、トレーナーの助言を受けながら自分で作っています。強豪校やクラブに所属するライバル選手たちは、チーム内で切磋琢磨しているけれど、それを羨ましく思うことはありません。皆んなで同じメニューをこなす練習には、リスクが伴うと思っています。100人いれば100通りの走りがある。だから、必要とする練習は、本当はひとりひとり皆んな違うはずなんです」

競技を始めたのは初等部5年生のとき。6年生になり、僅か0.04秒差で全国出場を逃す。その悔しさで、短距離走にのめり込んだ。

「勝負と記録を両方取りに行くことは、ほんと難しいんです。相手に集中し過ぎると、タイムが出ない。だから今は…自分が相手。過去の自分が相手、と思ってます。先ずは過去の自分に、勝つこと。自己ベストを出すこと。その結果として、どれだけ強豪たちと渡り合えるか、というふうに考える。実は、僕は“最善”を尽くした勝負は、これまでしたことがないと思っています。今は綺麗なフォームで走る技術をようやく身に着けたところ。やるべきことは山ほどあって、最善には程遠い」

「チャレンジできていない走法や、試してみたい理論も、たくさんあります。一方で、一度身に着けた感覚を失うことを恐れ、守りに入ってしまう自分もいて。感覚の世界なので、難しいんです。負けるときは、必ず敗因があります。つけた筋肉量や、つけた箇所、細かい身体の変化に気づけていなかった、とか。毎日の生活がレースに直結するので大変ですが、でも結果は必ずついてくるから挑戦のしがいがある。当日のコンディションからレース戦略を立てたり、全て自分でプランニングできるところも魅力ですね。それと単純に、短距離走の疾走感、爽快感が好きです。自己ベストで走っているときは、自分で分かるんですよ、あ、ベストが出てるな、と。その感覚は…病みつきになります(笑)」

GKAの高学年になるとみんな共通して、自分を表す術に、自分を伝える術に、優れているなと思う。落ち着いて自分自身のことを話すことが出来る。また、11年かけて学んできた英語にも、感謝しているそうだ。

「僕は理論を、海外の論文から学んでいます。もう50本以上は読んでいるんじゃないかな。それらを自分で研究して、走りに活かしています。海外の論文を原文のまま読めることは、僕の大きな武器です」

このオフシーズンはシーズン中の疲れを取るだけでなく、ウエイトトレーニングで筋肉量を増やし、身体の内側の細かい、小さな筋肉の強化も行うという。加えて楽しみなイベントを、初等部生を集めて行うと嬉しそうに語ってくれた。

「僕の直接の後輩たちに自分の経験を伝えようと思い、初等部で“かけっこ教室”を開きます。野澤副校長に協力して貰いました。初等の子たちは普段いろんなスポーツに触れている、また、これから触れていく筈ですが、どんなスポーツでも、全ての動きの基本は短距離走にあるんです。そこを、教えてあげたい。基礎は、かけっこにあるよ、と。小学生のうちにきれいなフォームを身につけることが大切なんです」

来シーズンは、GKA陸上部として戦う最後のシーズンになる。集大成としてインターハイで100、200とも入賞を狙い、そして大学進学後はインカレで活躍、日本選手権の参加標準記録を突破し、更にパリ五輪の選考に選ばれることを目標に掲げる。

「自分を深く知ることが陸上競技です。余計なものは、ありません。あるのは自分と、自分の身体だけ。自分自身を見つめ、突き詰めて行く。どのレースでも、スタートラインに立つと思うんです。地道な努力があって、良質なトレーニングがあって、ここにいる。だから大丈夫、行けるっしょ!って。指導いただいているコーチやトレーナーだけでなく、今まで育ててくれた両親やGKAに、お世話になった全ての方々に、夢を叶えて恩返ししたいです。これからも努力を続けて行きますので、応援よろしくお願いします」

がんばれ陽輔!めざせパリ五輪!今後とも学園全体で注目して行きましょう。

【主なタイトルおよび出場記録】

群馬県通信陸上競技大会1年男子100m1位
群馬県中校総合体育大会1年男子100m2位
関東中学校陸上競技大会1年男子100m出場
ジュニアオリンピック陸上競技大会C男子100m出場
ABC男子共通4×100mリレー準決勝進出
群馬県総合体育大会2年男子100m6位
群馬県通信陸上競技大会3年男子100m3位
群馬県通信陸上競技大会共通男子200m1位
群馬県中校総合体育大会共通男子200m1位
関東中学校陸上競技大会共通男子200m3位
全日本中学校陸上競技選手権大会男子200m出場
ジュニアオリンピック陸上競技大会A男子200m出場
群馬県高等学校総合体育大会男子200m5位
群馬県高等学校新人陸上大会男子200m3位
関東新人陸上競技大会男子100m200m出場
群馬県高等学校総合体育大会男子100m4位
関東高等学校陸上競技大会男子100m出場
国民体育大会群馬県予選少年A男子300m1位
関東陸上選手権男子200m出場
JOCU18陸上競技大会男子300m出場
群馬県高等学校陸上競技強化大会混成競技会男子スプリントトライアスロン優勝

【現在の自己ベスト】

100m 10秒96
200m 22秒15
300m 34秒15(今シーズン全国ランキング10位)
400m 50秒71

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